Coca-Cola Spiced Zero Sugar (USA)

 『Coca-Cola Spiced Zero Sugar (USA)』です。2024年2月に北米にて発売された、ラズベリーとスパイスが組み合わさった新フレーバーのコカ・コーラです。有糖と無糖のものが存在し、こちらは無糖のものになります。
 ラズベリーフレーバーのコーラといえば、過去に世界各国で散発的に発売されており目新しさはありません。しかしそこにスパイス風味が加わることにより、よくある地域限定のコカ・コーラとは違った意味あいを感じさせます。近年のクラフトコーラの台頭により、日本ではコーラにスパイスという考えは他国より珍しくなくなってきました。2021年にはサントリーから「ペプシ<生>」という、香料の一部に生コーラのスパイスを使用したと謳うような製品も出てきています。Coca-Cola Spicedにも、それらを意識しているように感じます。
 味わい自体はスパイス感よりもラズベリーの方が勝っており、缶のラベルに大きく「SPICED」のみを記載するのは違和感を覚えます。しかしながらラズベリーフレーバーとスパイス感は驚く程よくマッチしており、「なぜSPICEDと冠するフレーバーにラズベリーが選ばれたんだろう」という疑問は、飲むと解決するほどです。またスパイス感についても、個人的にもこの位が丁度良いと思っています。最近は人工甘味料にも慣れ、ものによっては無糖の方がサッパリしていて美味しいと思うことも最近少なくないのですが、こちらは有糖の方が味わいが混然一体となっていて美味しく感じました。
 こういった、ある意味抽象的で複雑で短命と予想されるフレーバーは、同社が2022年から展開している「Coca-Cola Creations」シリーズが得意とするところで、そちらから発売するのが妥当だと思っています。しかしこちらは期間限定ではなく、レギュラー商品として今後展開されるようです。もしかすると、今後米国でもスパイス感のある飲料が流行する可能性があると踏んで、このような采配になっているのかもしれません。そのため、ラズベリーの味の方が強かろうと、「SPICED」をラベルでは強調しているのかなあと考えています。このコーラが米国飲料界の分水嶺となるか、今後もひっそりと確認していきたいと思います。

Coca-Cola Spiced Zero Sugar (USA)、正面

Coca-Cola Spiced Zero Sugar (USA)、横面2

Coca-Cola Spiced Zero Sugar (USA)、横面3

Coca-Cola Spiced Zero Sugar (USA)、横面
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